2015年1月14日水曜日

Vince Gilligan(ヴィンス・ギリガン)『Breaking Bad(ブレイキング・バッド)』


 周りの人がアメリカのドラマって面白いよとか言ってすすめてきたわけだ。物心ついたときからこっちは見てるよ死ねとか言わずに、ほんとにーこんどみてみるね♪とか言ってちゃっかり見ちゃった(テヘッ 夏の暑い日にだらだらとみればよりいっそう雰囲気は楽しめますね。これとハウス・オブ・カードがセットでおもしろいよー♪みたいな感じで薦めてくるやついるんでみんなも注意してくれ。一時期24とプリズン・ブレイクを布教していた宗教と手口が同じだ。プリズン・ブレイクお前はいいが、24てめぇは駄目だ。

season1
 悲劇の始まり、要するにプロローグで、全体的に非常につまらない。行き当たりばったりな事故の正当化である自己の正当化を繰り返す本質が初手からあらわれている。
まじめであることがウォルターの表面的な話だが、本質は正当化するごみくずであるといったところ、白パンツブリーフの冴えない中年のおっさんというのは、どこの国にも通じるイメージだな。 そろそろまともなパンツ探そうか。思えば服装とかの趣向まで変わっていったら面白かったのになって思う。虐げられたよき夫でお父さんってことか。これ日本で長男じゃなくて長女だったら更に悲惨なことになってたよなw娘に嫌われる父とか男はつらいねw

season2
ep12 マイ・リトル・ガール Phoenix
 ジェシーとジェーンの恋愛のゆるやかな微笑ましい雰囲気から、嘔吐物をつまらせるリアルな映像の後の圧倒的な絶望感がやばい。リアルすぎて気持ち悪いし、物語の落差があり非常に印象的だ。この話があるからこのドラマをみてよかったなと思えるぐらいの衝撃だった。どうでもいい話だけど次々とごみみたいな売人などが死んでいく中で、やっぱ命の価値とかをみている自分がいるなと淡々と考えていた。ここでもウォルターのくずっぷりがひかるね。この時点でこの物語には絶望しかないんだなと気づいた。ジェーン・マーゴリス役のクリステン・リッターの病んでる危険な感じで壊れそうな美しさは非常にぴったりだ。ここだけでいえばすごく評価が高い。そして、この死は蝶のゆらゆらとしたはばたきだと解釈し、飛行機事故が竜巻だとしたら、バタフライ・エフェクトだ。薬で夢と現実の区別もつかない蝶は胡蝶の夢のようだ。

season3から後の話は規模が大きくなっていく売人家業の繰り返しに過ぎないと思うし、キャラの気になる点でも書いてみる。

ウォルター・ホワイト…妻や息子から否定され、最期に自分のためにやったんだとウォルターは気づくというか気づかされるわけで、生きてるってのはこうギラギラしたもんなんだって、それ自体が正当化したもんだろうけど、ウォルターは他人(この場合家族と自分の病気の費用)のためにやっているんだってそれを認めていなかったのをついに認めることになる。とはいえ家族に金は残そうとはするけどね。これが俺の人生なんだと気づきましたとかその歳になって何してんだこいつみたいな。高校デビューとか大学デビューとかよりひどくて、中年になって万引きするような変に抑圧されたものが爆発した感じがして白い目でみちゃうね。子供のうちから暴れとこうぜみたいな。遅すぎた反抗期。これからこういうやつのことウォルターホワイトって呼ぼう。最初の頃のキャンピングカーシャブシャブ時とハゲヒゲテロリスト時の対比が非常に良かったけど髭に若干の違和感あり。仮面ライダーの首から髪の毛でてる並になえました。

ハンク・シュレイダー…天職だなって感じで勘も冴えるやつで行動派の正義の警官。バランスのとれた人間で完璧のようにみえるが、メキシコという環境下ではそれは通用しなかった。どんだけ有能であっても環境である前提が違えば変わってくるよと。思えば能力があり過ぎるがゆえに、はまっていく。よく推理物で主人公より頭が良すぎて気づいてしまって犯人とか敵に殺されてしまうキャラとかいるけど、勘が良すぎたばっかりにみたいな。思えばウォルターが金で彼を助けようとするところは明らかにメリハリつけれない中途半端な甘ちゃんウォルターってことが強調されてるってことだな。てか大体のやつの死因ってそういうウォルターの中途半端なところからきてるんだよな。

ジェシー・ピンクマン…いややっぱウォルターとこいつのコミュニケーション不足ってのが大きいよな。そこからはじまるイザコザによって周りの人間が死んでいくっての繰り返し。
http://www.breakingbad.jp/interview03.php
Interviewインタビュー
Aaron Paulアーロン・ポール
(略ry)
Q :ジェシー・ピンクマンは、当初シーズン1で死ぬことになっていたのですよね?
    そうなんだ。ジェシーは死ぬはずだった。次のシーズンに視聴者を引っ張る、シーズン最後の山場にすらならない予定だった。ただ、ひどい爆発か銃撃戦に巻き込まれて死ぬ予定だったんだ。どちらだったか忘れたけど。でも第1話を撮った後、撮影が本格的に始まったら、全体的なストーリーの動きが変わっていった。ヴィンスがウォルターとジェシーの力関係を気に入って、そのストーリーを続けていくことになったんだ。
(略ry)
 ウォルター一人だと緊張感は生まれないだろうし、淡々と進んでいくだけだけだからなのかもしれないが、あまりに無常な感じで無能な二人のミスの数々はみていて心地よいものではないな。ハエの回の話にしろ、秘密を隠しているウォルターはやっぱごみくずだなwって二人の関係ってすげーさもしいよな。ジェシーがすべてを失っていく話だともいえるな。

グスタヴォ・ガス・フリング…ジャンカルロ・エスポジートの役がはまっている。ファーストフードの店長が似合ってるし、冷静な感じが出てていいよな。ただここまで頭がいいキャラってのがウォルターとピンクマンを野放しにするわけがねぇわなって思っちゃうねw彼の死ぬシーンって馬鹿みたいな話で、半分が完全に吹っ飛んでるわけで片方からみて大丈夫な感じに見えるわけよ。それがこう歩いて、ぐちゃぐちゃな半分がみえて倒れる。これがあり得ないギャグみたいなシーンだけど良かったね。かなり好きなキャラだったけどマイクも同様だよな。Zafiro Añejoはデザインがいいね。架空のテキーラらしいけど毒が入ってないなら飲んでみたいもんだ。

マイク・エルマントラウト…ガス同様にジョナサン・バンクスの役がはまっていて、キャラも好きだ。こういう冷静沈着で非常な部下で、泥臭いところからたたき上げでがんばってきましたみたいな雰囲気のキャラは実にいい。まぁその死もガス同様に。ガスは嫌いだけどマイクは好きだって友達が言ってたんだけどまぁ俺の場合この二人がいなくなったらウォルターとジェシーの痴話喧嘩がはじまるだけだし非常にどうでもよくなってきたよ。

  この世は無常だみたいな感覚にっていうか虚無感ってやつだ。だけど登場人物がちょっと突然要所要所で無能すぎやしませんか?って思うところが多い。

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